力尽きるとも・・

この試合は壮絶であった。
2006年の夏の千葉大会・準決勝である。
千葉経大附 対 習志野である。
延長11回、千葉経大附が2対1で習志野を破った。
見事なサヨナラ勝ちである。
しかし、
私は負けた習志野にフォーカスをあてた。
エース・佐々木くんにだ。
冒頭の写真はゲームセットの瞬間、
グラウンドに泣き崩れた佐々木くんの姿だ。
試合は投手戦であった。
しかもこの暑さの中である。
両校とも疲労のピークを迎えていた。
とくにエースの佐々木くんは限界を超えていたであろう。

11回の裏、いきなり三塁打が飛び出した。

無死3塁だ。
外野フライでもサヨナラだ。
スクイズもある。
習志野、絶体絶命。

そして、千葉経大附の打球は外野へ。

犠牲フライには十分な距離だ。
三塁走者が生還しゲームセットとなる。
よろこぶ千葉経大附ナイン。

佐々木くんにはもう力が残っていなかったのだろう。
これも実力なのだ。
残念だが、それを認めざるを得ない。
冒頭の写真をもう一度見てもらいたい。
目の前で泣き崩れる佐々木くんを
千葉経大附はどのように見たのだろう。
勝ちも負けも紙一重。
次の試合は、自分たちがあんな目に会うかも・・。
だから、必死で戦う。
「負けた佐々木くんの分まで頑張ってやろう」
そう誓ったに違いない。
勝ちも負けも紙一重だ。
だから必死なのだ。
だからすがすがしいのだ。
お疲れさん、習志野高校。
よく頑張った、佐々木くん。



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