たった3時間で

敗戦校の姿をみるのはつらい。
このシーンだけは勘弁して欲しい。
しかも、この敗戦シーンには特別な訳がある。
君津青葉高校は開会式直後の第Ⅰ試合であった。
相手は強豪・中央学院である。

8回からマウンドに立ったエース・藤本くんが打たれてしまった。
多分、体調でも悪かったのだろう。
言い訳はよそう。
失点「5点」は痛かった。
君津青葉高校には重すぎる点数であった。
最終回に1点は返したが、
反撃はここまでだった。
あっけない「夏」であった。
わずか3時間前にここで開会式があったばかりだ。
この地を堂々と行進したばかりだ。
そのときは希望に満ちあふれていた。
何でもできそうな、
そんな自信のようなものもあった。
そのこの場所で、
この場所で悲しい涙を流すなんて。
信じられない。
信じられないが、これが現実だ。
俺たちの「夏」は、
たったの3時間で終わった。
たったの3時間で。


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